移動平均線はチャート分析において王様みたいなものですよね。
オシレーター等はいずれも移動平均線の考え方が結果的に導入されていますし、FX初心者が最初に手にするテクニカルは移動平均線で、上級者も使うテクニカルとしても移動平均線は利用されています。
そんな移動平均線ですが、悩むのはパラメーターです。
今回は全ての時間足で同じパラメーターでいいのか?というテーマで書いてみたいなと思います。
移動平均線の種類
移動平均線は、ご存知のようにいくつかの種類があります。
SMA(単純移動平均線)
EMA(指数平滑移動平均線)
SMMA(平滑移動平均線)
LWMA(加重移動平均線)
上記が代表的な移動平均線の種類で、これらに対して適用する価格(始値・終値・中値などなど)を選んで、自分に適した移動平均線を選ぶのが一般的。
下記のチャートは上記全ての移動平均線をパラメーター20で表示してみました。
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パラメーターは同じなのに挙動は違いますね。
移動平均線を使う流れ
大方の流れとしては、FX初心者はSMAから使いはじめてEMAを利用し、中級者になってくるとSMMAやLWMAなどのちょっと変わった移動平均線を利用し、上級者になるとSMA(もしくはEMA)に戻るといった使い方になると思います。
いずれにしても、これらの移動平均線は指定した期間の平均値を計算してるわけですが、その計算式に何を加えるか?何に比重を置くか?で表示される線が変わってきます。
どんな移動平均線でも、重要なのはパラメーター(期間)が重要となるわけです。
移動平均線はパラメーターが重要
私が以前使っていた10EMAと20EMAの手法においては、5分足に20EMAを表示させて20EMAをテクニカル判断の中心とし、10EMAを付け加えることで確実性を加えたという形になります。
しかし、この手法のポイントは5分足という点です。
20EMAは元々日足で利用されていた移動平均線ですが、1時間足・4時間足・8時間足などでも機能することから、様々な時間足で利用されています。
私としてはトレードスタイルがスキャルということもあり、5分足が最も機能すると判断したので、5分足で利用していましたが、5分足以外でも機能するのは確かです。
だからと言って、テクニカル分析で移動平均線を使う場合、必ず全ての時間足で同じパラメーターで利用スべきなのだろうか?という疑問が浮かんできます。
移動平均線とパラメーターと時間足の関係
何が言いたいかというと、一つのパラメーターを全ての時間足で使うべきかどうか?という点です。
例えば、5分足でテクニカル分析をしていたら100SMAという移動平均線が機能すると発見したとします。
「5分足で機能したんだから、1時間足でも使って大丈夫だろう」と判断してよいのでしょうか?
私なりの答えとしては、移動平均線のパラメーターによっては全ての時間足で機能する移動平均線のパラメーターはあると思うが、全ての時間足で同じパラメーターを使うのは必ずしも正解ではない、と思うのです。
なぜかというと、「利用する移動平均線にどんな意味をもたせるか?」という部分を考えてもよいのではないか、というのが、私なりの考えだからです。
移動平均線はどんな移動平均線でも、基本的には指定した期間の平均値を表示するものです。
であれば、各時間足で意味をもたせることが可能なのです。
移動平均線に意味を持たせた事例
例えば、自分なりの分析方法から、東京・ロンドン・NYで1日を3分割したとします。その場合、24時間を3分割ということで一つの区切りを8時間と設定したAさんがいたとします。
「1時間足であればパラメーターを8にすれば、過去8時間の平均値として移動平均線を見ることも可能だ」とAさんが設定し、1時間足では8SMAを利用し、Aさんなりに「1時間足の8SMAは機能する」と判断したとします。
Aさんは、「1時間足で機能したんだから日足でも機能するはずだ」と考え、日足でも表示してみた所、おもったよりも機能していないことに気づきました。
この場合、過去8時間の平均線が見たいとして1時間足に8SMAを表示したのにたいして、日足で8SMAを使うことに対しては、その理論を利用していないわけです。
1時間足で考えたとおり、区切りという点で言えば、日足で期間8となると、過去8日間ということになります。
過去8日間というのは実に中途半端な日数です。
FXは24時間市場が開いているとはいえ、一般的には土日はトレードできないので、基本的には一週間は5日間と設定することが多いです。
であれば、8日間というのは実に中途半端なのです。
同じ考えで行くのであれば、例えば過去2週間の平均値として移動平均線を利用したいと考えて、10SMAにするとか。
もしくは、一ヶ月は20日間なので半年間の120日間の平均値を日足には表示しよう、と考えて120SMAにする、といった感じで時間足によって変えてみるのも良い戦略だと思うのです。
この例は、あくまでも例ですので、8SMAが機能するとかしないとかではありません。
移動平均線に意味を持たせるとこのようになるという事例です。
ですので、単純に100SMAを全ての時間足のテクニカル分析の中心にすると設定しても良いわけです。
ただ、私の経験上の話になりますが、もし各時間足で何かしら基準になる移動平均線を用意しようと思ったら、長期の方が良いと思います。
10とか、20とかではなく、最も小さくても50、できれば100~250くらいが良いかと思います。
まとめ
- 移動平均線を利用する場合、全ての時間足で同じパラメーターを使わなくても良い
- もちろん同じパラメーターを利用しても良い
- 要は、移動平均線にどんな役割をもたせるか?が重要
ということになります。
で、個人的な経験として、各時間足で同じパラメーターを使うときは大きめの数値の方が良い、ということになります。
いかがでしたでしょうか?
何かしら参考になれば、嬉しいです。