ADXとDMIだけでトレードしている海外のトレーダーの話が興味深かったので、シェアしたいと思います。
ADX・DMIはとても優位性が高いテクニカルなのですが、ローソク足と一緒に使うのが一般的です。しかし、今回紹介する内容はADX・DMIのインジケーターだけでトレードしてるトレーダーについてです。
ADX・DMIだけでトレードするのはとても興味深いので、今回はADX・DMIを中心とした記事になります。
尚このトレーダーの使い方だけではなく、私なりの使い方も紹介しているので、ちょっと長めの記事になることをご了承ください。
ADX・DMIとは
まずADX・DMIについて理解を深めておくべきなので、説明します。
ADX・DMIとは、J.W.ワイルダー(Welles Wilder) 氏が考案したテクニカルでかなり歴史のあるテクニカルの一つです。
ADXとDMIはセットで使われることが多いテクニカルですね。
ADX・DMIをMT4で表示するとこのようになります
ADXとDMIについては様々な捉え方や解釈があり、使い方やトレードシグナルとしても色々な考え方がありますが、一般的に言われている使い方を明記しておきます。
インジケーターはMT4にデフォルトで搭載されているインジケーターで良いと思います。MT4では、ADX・DMIと表示されておらず、Average Directional Movement Index という表記になります。
ADX・DMIの一般的な使い方
ADXはトレンドの強さやトレンドの始まりと終わりを表すものとして使われていて、上昇するとトレンド発生で、下降はそのトレンドの終わりと解釈しましょう。
しかし、ADXが上昇だから買いというわけではなく、下落トレンドでもトレンドが発生するとADXは上昇します。
ADXはDMIの数値が関係しています。
DMIは+DIと-DIの二つで成り立っていて、+DIが-DIとクロスした後、-DIよりも+DIが上にあると買いトレンド中、-DIが+DIとクロス後、+DIよりも上にあると売りトレンド中、ということになります。
一般的には、買いトレンドならば、+DIが25以上になった場合はトレンドが強くなってきたと判断され、売りならば-DIが25以上になったら強いトレンドと判断されることになります。
この二つを組み合わせると、買いでエントリーする場合は、+DIが-DIを下から上に抜けてとクロスした時点でエントリーし、ADXが上昇したらそのままポジションを維持し、ADXが下がったところで決済、もしくは、+DIが-DIを上から下に抜けたときに決済、という使い方ができます。
ただし、先ほども書いたように、ADXとDMIの使い方様々な考えがありますので、使い方はこれだけではありません。
中には、上昇局面において、上昇していたADXが下降したら売りで入る、または、下降局面においては上昇していたADXが下降したら買いではいる、という使い方もあるようです。(個人的にはこの使い方は少々危険かと思われます)
ADXとDMIだけを使ってトレードしてるトレーダーの存在
基本を抑えた所で、この記事の本題に入ります。
とても使えるADXDMIですが、ADXとDMIだけを使ってトレードしているトレーダーが世界にはいるようです。
名前は忘れましたが、この方は、ローソク足もラインチャートもバーチャートも見ないで、DMIとADXだけを見てトレードしているとのこと。
具体的にどうやってADX・DMIでトレードしているのかというと、
・DMIを使って方向を決める
・ADXの上昇具合を見てエントリー
といった流れ。
これまでは基本的な使い方とさほど違いはないのですが、面白いのはココからで、ADXの上昇を前回と比較するそうです。
例えば、前回のADXの上昇が40で止まったとしたら、ADXが40を超えるまで待って、ADXが40を超えた時にエントリーするというもの。いうなれば、ADXのブレイクアウトといった感じです。
それとDMIの開き方もチェックするそうです。これはアルーンと近い使い方かもしれません。
DMIは±があり、上昇するときはプラスDIが上で下落はDIが下になります。この時に±DIが開いていくのですが、この開き方がきちんと反対方向に広がっている時にエントリーをするとのこと。
そして±DIが同じ方向になってしまったら決済をします。
具体的にはこのようになります。
白い四角で囲ったところをご覧ください。DIが上下に広がっていますね。
四角で囲った所から外れたところで+DIと-DIが内側に向かっているのがわかります。これが決済の合図となるわけです。
尚、±DIが上下に広がっているときはADXも上昇しているのでADXだけ見ておけばよいと思いがちですが、DIをチェックして細かな動きを見ていくと取りこぼしもないですし、決済がおくれることもないとか。
そもそもローソク足を見ていないのですから、DIで値動きをみるしかないのだと思います。つまりDIで値動きを見てるのかなと。
このような感じでADX・DMIだけを見てトレードしているそうです。
確かにローソク足を見ていると、価格変動に目が行きがちですし、余計な事を考えてしまいます。ADX・DMIだけを見ていれば余計なことを考えなくて良いのかもしれません。
それで相当な金額を稼ぐ世界的なトレーダーになったとか。逆に言えば、それだけDMIとADXは使えるテクニカルと言えます。
ADX・DMIも使い方次第
とはいえ、ADXとDMIを使ってトレードすると勝率が上がり利益が出ますよ、とは思いませんし、言ってません。
他のテクニカルもそうなんだと思いますが、要は使い方なんですね。
DMIとADXだけでトレードしてるトレーダーさんは、独自の使い方をしてるでしょうし、DIの数値やADXの数値などなど、色々なデータを持ち合わせていて、それに経験などを加えてるから、DMIとADXでトレードできるのだと思います。
DMIの使い方として損切りやストップを設定する基準として使う使い方もありますし、要は使い方。
ADXとDMIは様々な使い方ができるので、自分なりの使い方を研究してみるのも良いと思います。
ではここからは、かずえモン的ADX・DMIの使い方を紹介していきます。
かずえモン的なADXの使い方
私はADXを主に見ています。
ADXの代表的な使い方として、ADXが上昇しているとトレンド中で、下降してるときはそのトレンドが終わり、ということでした。
私はこれを逆手にとりまして、ADXが下降しているときはなるべくエントリーしないと決めています。
もし仮にADXが下降しているときがトレンドの終わり、もしくは、調整中ということであれば、エントリーする魅力に欠けると思うんです。
目の前のテクニカルで「トレンドが終わるかもしれませんよ」と言ってくれてるのにあえてエントリーする必要はないかと。それに、もし調整中ということであれば、無駄な損切りにも繋がりますし、色々な迷いが生じます。
だから、私はADXが下降しているときはエントリーしないようにしています。
かずえモン的DMIの使い方
さて、DMIのほうですが、+DIと-DIはトレンドがどちらにあるのかを確かめるためだけに使ってます。
+DIが上ならば買い・-DIが上ならば売り、というようにどちらで入るべきかを確かめるために使ってます。
DMIを使ったトレード方法の危険性
ちなみに、この+DIと-DIですが、一般的には±DIがクロスしたらエントリーというトレード手法があります。しかし、クロスしてすぐにエントリーというのは少々危険かと思われます。
-DIが+DIよりも上に抜けたとします。がしかし、その時にADXが上昇しないと、その-DIが抜けたときに起こった下落の値幅が戻る可能性があるんですね。
つまり、レンジに見られる状況です。
例えば、-DIが+DIを下から上に抜けて、5pipsほど下落したとします。がしかし、ADXが横ばいで上昇しないとなると、その5pipsが戻ってしまい、元の価格に戻ってしまうという現象が発生するという現象です。
この場合、もし損切りや決済が遅れると、-DIが+DIと先ほどとは逆方向にクロスしてしまい、そのクロスに応じた方向にADXが反応し、エントリーとは逆方向のトレンドが発生するということにもなりかねません。
-DIと+DIの関係をみて下落すると思い売りでエントリーしたが、その値幅を戻してしまい、さらに、逆方向にトレンドが発生してしまい損切り、ということにもなりかねません。
実は結構これ経験しています(汗
なので、+DIと-DIのクロスだけでエントリーするのは少々危険かと、私は思っています。
もちろん、この+DIと-DIのクロスでエントリーして成功されてる方もいらっしゃると思います。ですので、ADXとDMIについては様々な使い方があるので、こういった使い方とか考え方もあるんだなという程度に捉えてください。
MT4のADX/DMIのインジケーター
ここでMT4でADX・DMIを表示する際のインジケーターについて言及しておきます。
冒頭でも書いたように、基本的にはデフォルトで搭載されている、Average Directional Movement Indexというインジケーターで全く問題ありません。他のサイトからダウンロードしなくても、デフォルトで搭載されてるもので十分です。
色が変わるバージョンやカスタマイズ性に優れたADX/DMIのインジケーターをダウンロードしたことが多々ありますが、最終的にデフォルトで搭載されているインジケーターに落ち着きました。
パラメーターの設定はデフォルトだと、期間が14になっていると思います。私がADX・DMIを使う時のパラメーター設定は、9にすることが多いです。14だと若干遅く、5とかだと早すぎるので、9をパラメーターとして設定することが多いです。
まとめ
とにかく今回お伝えしたかったのは、ADXDMIは使えるテクニカルだということです。
ADXDMIはトレンドの強さも判断できるし、方向性も確認できます。
エントリーのタイミングとしては、ADXが上昇したタイミングや±DIがクロスしたタイミングなどをチェックしないといけませんが、使ってみる価値は高いと思います。
是非トレードに使ってみて、自分なりの使い方を発見してみてはいかがでしょうか^^
【追記】
ADXDMIだけでトレードする場合、最適な時間足があるという情報を得たので追記します。
1分足や5分足では短すぎるので、最低でも15分足が良いと思われます。
できれば1時間足が良いとの結果があります。